KEKへ行ってきた(3) ATF そしてリニアコライダーへ

アインシュタイン博士の相対性理論は、この先生方にとっては通過点に過ぎない
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(2006-11-25, Lumix DMC-LX2)

かつて宇宙はエーテルと呼ばれる物質で満たされている、と考えられていました。それはアインシュタインによって否定され、宇宙空間には何もないとされました。しかし、物質の最小構成部品だと思われた原子が、さらに小さい素粒子から出来ているとわかり、その研究が進むにつれて、光速で動くもの(光)と、そこに留まるもの(素粒子)の違いは何か、という疑問が生まれました。何もないとされた宇宙、そして僕らのまわりは、やっぱり、実は何かに満たされていて、そのために素粒子がその場に留まり、物質が存在するのではないか。その動きにくさが質量のもととなっているのではないか、と考えられています。


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そしてそれは、全長40kmの直線の加速器があれば、その存在(または存在しないこと)が証明できるといいます。これはもう、すごいスケールの研究ですから、国や宗教などの垣根を取り払い、世界中から知恵と技術を持ち寄って、世界のどこかに、協力して建設しようということになっています。40kmというと、東京から八王子の距離になるそうです。地平の彼方の両端から電子と陽電子を打ち出し、小さな小さなそれらを中央で衝突させる・・・うーん、すごいぞ。その加速器は、リニアコライダーと呼ばれています。リニアコライダーに持ち寄る技術のテストが、ここKEKの施設で行われていました。アメリカの部品、中国の部品、各国の研究者たち。


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リニアコライダーをどこに作るか。もちろん、日本も狙っています。人類の共通財産となる記念すべき実験をこの国で出来たなら、僕らの国のことはずっと世界の人に憶えていてもらえるかも知れません。


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KEK


KEKへ行ってきた(2) 電子の通るみち - photo = healing