KEKで加速器をみてきた(1) 前段加速器

それは築30年以上の古びた平屋の地下にあった。

Cockroft-Walton preaccelerator for the KEK 12GeV Proton Synchrotron complex. (2006-11-25, Lumix DMC-LX2)

mixi見学コミュで、つくばの高エネルギー素粒子研究機構(KEK)の加速器見学に行ってきました。
KEKかぁ Coffee-MLのMickyさんお元気ですか
第1回目は陽子シンクロトロン(KEK-PS)の前段加速器をご紹介します。

前段加速器とは?
素粒子実験に使う電子等は、それ自体に大きなエネルギーを持たせる必要があるため、光に近い速度まで加速させます。それを行うのが加速器です。
初期の加速器は、原子に電荷を与えてイオンとしたものに、まず強大な電圧をかけ、(鉄が磁石に引っ張られるようにして)初速を付け、その後ループに入れて何千kmも走行させて徐々に加速させました。初速をつけるものを前段加速器(preaccelerator)と呼んでいます。

KEKの陽子シンクロトロンは1971から1976年にかけて建設され、1977年から今年2006年3月まで運用されていました。随分長い間がんばりましたね。この役割は、東海村に建設中の新しい施設(J-PARC)に引き継がれるそうです。
現在はJ-PARCで使用する機器のテスト用に、この前段加速器だけが使われているとのことです。なんとかギリギリ現役中に見れてよかった。

それにしても、こんな美しいものが、30年前から人知れず活躍していたなんて!

ちょっと悪役っぽく撮ってみました:-)

KEKへ行ってきた(2) 電子の通るみち - photo = healing
KEK Image Archive : Accelerator