第三海堡の遺構を見てきた(1) 探照灯 C-290 & M-145
追浜で第三海堡から撤去した構造物群を見てきました。何度かにわけて紹介します。
(2006-11-18, Lumix DMC-LX2)
第三海堡は明治末期から大正時代にかけて、東京湾に設けられた要塞です。
第一,第二海堡はまだ現存していますが、第三海堡は苦労して苦労して苦労して作った末に、完成のわずか2年後に関東大震災で基礎が崩壊、4.5mも沈降したため放棄されました。
その後暗礁化し、11度もの海難事故の原因となったために撤去・浚渫することになりました。40mの水深を埋め立ててつくり、今度は20m以上も掘り下げるわけです。
海の邪魔者扱いされる第三海堡ですが、世界に類の無い土木工事に人生を捧げた人たちがいました。まさに明治のプロジェクトXです。
その方たちのことを思いつつ、撤去と同時に調査が進んでいます。
遺構たちは現在私有地に置かれており、将来は漁礁として海に帰されることになっているそうですが、一般公開日に見学することが出来ました。
まずこの建物に入ってみましょう。「探照灯 C-290 & M-145」です。
施工は明治44年〜大正11年。この建物に置かれた探照灯(サーチライト)は7〜9kmも先を照らすことが出来たそうです。
内部は綺麗な状態でした。この中をお魚が泳いでいたのか・・・ ちょっとうっとり。
天井の孔は、撤去工事の際に、75mmの吊りワイヤーを通すために開けられたのだそうです。
階段を登って屋上に出てみます。
見えている建物たちも追って紹介しますね。
やっぱりいい材料を使っているということもあるんでしょうけれど、モルタルが厚塗りされていたことと、水に漬かっていたことも良かったのだそうです。
(続く)